【Blog】がんと診断されたとき~どんなサポートができるのか~(2/2)
すみれが丘ひだまりクリニックの医師の安達です。
前回の続きとなります。
ところで、どのようなタイプのがんであっても、最初の治療が大切なのではまちがいありません。
通常医療におけるがんの治療、つまり化学療法(抗がん剤)、手術、放射線治療のどれも、がんの種類やステージ(病期)に合わせて、効果や副作用を評価しつつ選択されており、治療自体の進化もあり、有益ながん治療です。
だから、患者さんには、置いてきぼりになった気がしても、ある程度はまな板に乗って標準治療を受けてほしい、という気持ちが私にはあるのです。
しかし、それと同時に、アントロポゾフィー的には、患者さんが受け身で治療された場合と、患者さん自身が決断し能動的に治療を選ぶ場合と、その治療体験はまったく異なるものになると考えています。ですから、まな板に乗っているのではなく、自身が納得して、自分で治療を決めていきましょう、という気持ちもあるのです。
みなさんや大切な方が、がんと診断されたときには、ぜひその不安を医療者に(医師でも看護師でも)伝えて、少しでも自分で決断した治療として、必要な治療に取り組んでほしいと願っています。
当院では、がんの標準治療は重要だと考えています。同時に、患者さんが前向きに治療にのぞめるようなサポートも必要だと考えています。
診断を受けたショックや治療に向かう不安を、アントロポゾフィー医療によってサポートし、さまざまな治療の負の側面を軽減できるようにすることで、がんの治療の道のりを、ともに歩めればと思います。