アントロポゾフィー医療は現代医学の知識と方法論を基に、人間を身体、心、精神の全体から見ていく統合的な医療です。そこでは薬剤に加えて、この医療の考え方に基づくさまざまな療法が行われています。
たとえば、絵画造形療法、音楽療法、オイリュトミー療法、色光セラピー、リズミカルアインライブング、発達支援(治療教育)などがあります。
芸術療法やオイリュトミー療法においては、療法士の指導の下に、患者さん自身が能動的に療法に関わります。それによって患者の内側の治癒に向かうプロセスが刺激され、健康が回復されていきます。
さらに色彩、光、音の響き、また粘土や自分自身の体の動きに向き合うことで、聞くことや見ること、感じることといった知覚が修練されます。それにより外界との関わりの中で今までにない新しい創造的な道が開け、病気やさまざまな心の問題を克服する助けとなります。
これらの各種療法には特別な才能は必要ありません。芸術的なプロセスや創造行為が自らの内側と外側の対話を深め、自分自身に気づくことを通して、自らの治癒に向かう意思が強められます。
リズミカルアインライブングにおいては、心地よい皮膚への施術を通して、患者自身の持つ生命力が強められます。また暖かさや安心感だけでなく、自分自身の内面への意識が深まっていきます。
発達支援においては、子どもの発達を支援していく中で、主に触覚、生命感覚、運動感覚、バランス感覚等を刺激し、身体や心など子どもの全体に働きかけていきます。これらの感覚を育てることで、子どもがその子らしく発達していくのを援助します。