アントロポゾフィー音楽療法は、聴くことや自ら演奏することにより病気や障がいといった症状を軽減し、自己治癒力を高める療法のことです。音楽療法は、呼吸に働きかけることからはじまり、メロディやハーモニー、リズムや響きの要素によって、心を開き、解放させることを行います。
患者さん一人ひとりの状態に応じて音楽の要素を選択し、楽器や声を用いて働きかけていきますが、療法士の演奏や楽器の響きを「聴く」ケースと、療法士とともに「楽器や声を使って奏でる」ケースがあります。
音楽療法では、声の発声のほかに、ライアー、打楽器、笛といった楽器を使用します。
すみれが丘ひだまりクリニックでは、この音楽療法をルドルフ・シュタイナーが提唱するアントロポゾフィー医学に基づき、担当の医師と連携を図りながら、専門の資格をもった音楽療法士によって行っていきます。その中で音楽療法士は、患者様の年齢や状況など一人ひとりの状況によって治療の形態を考えていきます。
音楽療法で使用する楽器はどれも自然の素材で作られたものです。響きの質を考慮しながら患者さんの生命力向上や意識へ働きかけます。響いてくるものが体のどこに響くかは楽器によって作用が異なります。
コロイフルート:メロディの要素をもたらし、意識を目覚めさせるだけでなく、呼吸を整える作用もあります。
ライアー:美しく長い響きで主に呼吸に働きかけます。症状の重い方にはベッドサイドでの演奏にも使われます。
クロッタ:低く深い響きを持ち、呼吸や新陳代謝に働きかけ、落ち着きをもたらします。
クニーホルツ:リズムを生み出し、意志の力に作用します。
タムタム:長い余韻を持ち、心身の深いところに作用します。
呼吸や感情に直接働きかけることができます。
※ここに掲載しているもの以外にも様々な楽器があり、症状によって用いることがあります。
時間 | (大人)60分 (子供)45分 |
予約可能日時 | 第1・第3火曜日(竹田) 第2・第4木曜日午前中、第2・第4土曜日(前平) ※療法士の都合により日程が変更する場合がございます。詳しい予約可能日時は来訪時にご確認ください。 |
回数(目安) | 12回/1クール ※隔週 |
原則、まずは事前に医師による診察があります。その診断と患者さんの「こうなっていきたい」という希望を元に、療法士は個別に療法計画を立てていきます。
※患者さんによって内容は異なります。
音楽療法では、療法の中で声を出したり呼吸を練習したりします。楽器がどういう風に響くか、体の中にどのような作用をもたらしているかを見ていきます。
初めに、動きとともに言葉を使ったあいさつを行います(療法の前後)。銅のボールを使ってやりとりをします。
また、楽器の響き自分の中で感じていただきます。※ライアー(リュラー、リラ、ライア)を利用
セッションの流れにリズムを作ります。
患者さんの状況に応じて楽器を変えていったり、弾き方を変えていったり、内容を変えていったりしていきます。
※12回1クールとさせていただいておりますが、医師の判断で患者さんの状態によっては追加療法を受けたほうが良いケースがあります。その場合1クールで終了しない場合がございます。
・喘息、不安や不眠に悩んでいる人
・コミュニケーションに困難を抱えている人
・発達や行動面に心配のあるお子様(発達遅滞)
・認知症患者またはその家族
・障害のあるお子様または大人
・終末期の方
※詳細は医師にご確認ください。
音楽療法は、音楽技術向上のための時間ではありません。楽しく安心して療法を受けることができるのが特徴で、0歳児から見取りまで幅広い方々に対し行っています。全般的には女性の患者さんが多いですが、男性も若い方(10代後半から20代)などがこの音楽療法をされています。
竹田 喜代子
ゲーテアヌム精神科学自由大学医学部門認定音楽療法士
日本音楽療法学会会員
シュタイナーの音楽教育家
一般社団法人 アウデイオペーデ主宰
1979年からシュタイナーの音楽教育を学ぶ
長年シュタイナー学校の音樂専科教師を努め、1989年より自閉症児の音楽療法を開始
現在は幼児から大人までの音楽療法を実践
また、ベルリンの音楽療法士育成学校と提携し、後進の指導をしている
前平 加代子
日本音楽療法学会認定音楽療法士
ゲーテアヌム精神科学自由大学医学部門認定音楽療法士
認定心理士
家庭教育相談員資格
治療教育を通じ、療育に携わっていたが、音楽の作用に魅力を感じ音楽療法を学ぶ
現在、横浜市泉区において親子の支援活動に従事、療法および相談員として働く
また一般社団法人アウデイオペーデにおいて、障がいを持つ子供とその親に対する支援及び療法を行っている