【Blog】がんと診断されたとき~どんなサポートができるのか~(1/2)
すみれが丘ひだまりクリニックの医師の安達です。
今日は、がんについて、少しお話したいと思います。
日本人の寿命が長くなるにつれ、人生の中でがんを患う人は確実に増えてきました。
がんの中には、生活様式の変化によって患者さんが増えているものもありますし、高齢化が進んだことで増えているがんもあります。
統計的には、私たちのふたりに一人は人生の中でがんを経験するといわれています。
よくよく聞くと、がんの治療を2つも3つも経験し、乗り越えている方にも結構会うようになりました。その方たちは、日常生活を送りながら、慢性の病気で通院しつつ、定期的にがんの再発がないか検査をしていることが多いです。
がんの病期や種類によっては、定期的な検査は終了になっていたりもします。
そのような方にとっては、単に過去にかかった病気のひとつに過ぎなくなっています。
一般医学の中でも、「がんとともに生きる」と言われることがあります。
がんとは必ずしも命を奪う病気ではなくて、つきあっていく病気になりつつある、ということです。
そうは言っても、“がん”と聞くと、治らない病気!というイメージがまだまだ強く、治療も手術や抗がん剤、放射線など大変でつらそうと思ってしまうのではないでしょうか。
そのため、最初に診断されたとき、大きなショックを受けることが多いと思います。
そして、がんの種類や病期にもよりますが、最初に疑われてから、検査が続き、診断がつくとすぐに治療に入る、と息をつく間もなく、ものごとが進んでいくことも多いですよね。
私が相談を受けた患者さんのなかで、数人が同じように、「まな板の上の鯉のよう」「ベルトコンベヤーに載せられているよう」に感じたと話されました。
あまりに速い展開に、ついていけないと感じたり、医師が一方的に進めていると感じたりするのだと思います。
通常医学の医師も、もちろん説明もするし、大きな検査や治療の前には同意書を取る場合もあります。なので、形式的には患者さんの意志を確認して、検査から診断、治療へと進んでいるはずなのですが、ご本人は、想像もしていなかった展開に、説明を受けても置いてきぼりにされたような気持になるのでしょうね。
続きは次回にて。