【Blog】音楽療法による療育の経験(2/2)
こんにちは。
ひだまりクリニックの医師の安達です。
前回の続きとして、私自身が経験した音楽療法による療育についてご紹介したいと思います。
自閉症のお子さんで、じっとできない、他者と向き合うことができない、コミュニケーションがとれないお子さんがおられたのですが、彼女は音の響きに耳を傾けることで静かに座ることができ、療法士と音を通して対話できました。それを続けていくうちに、日常の場面での行動も変わっていきました。
また思春期のお子さんで、思春期特有の大人への拒否がありつつ、日常の場面で忘れ物が多い、不注意に人やものにぶつかることが多い、片づけられない、集中できない、といったお子さんが、音楽療法だけは受け入れて、続けてくれた結果、繊細に楽器を扱うことや療法士とお互いの音をていねいに聴くことを通して、自分の意図がからだの動きや生活に行き届くようになりました。集中力も以前より継続するようになりました。自分でもその変化を理解しているようでした。
どの療法を選ぶかは、まず医師が面談し、お子さんの特性に合わせて判断します。
日常生活では得られない、全身で静けさや音を聴くという経験が、療育的に非常に役立つ場合があるのです。