【Blog】感染症をどう考えるか~今だからこそ考える感染症の意味~(1/2)
ひだまりクリニックの医師の安達です。
今日は、感染症について、書きたいと思います。
感染症というと、どうしても新型コロナのことを考えるようになりましたね。
それまでは、こどもの発熱や冬の嘔吐下痢とか、大人は冬のインフルエンザなどを心配するくらいだったでしょうか。
実際には、人類は感染症との戦いの歴史、と言ってもいいくらい、何度も大きな危機を迎えています。
抗生剤が発明されて、そのまま亡くなっていた患者さんを救命することが出来るようになり、人類は感染症との戦いに勝利した!と思われた時代もありましたが、抗生剤はウイルス感染には効果がないし、むしろ抗生剤の乱用で抗生剤に耐性のある(効かない)細菌が問題になっています。
少し前にはエイズが、医学的にも社会的にも大きな問題でしたが、今は良い薬が開発され早期に治療を始めれば、発症しない、発症しても軽症でコントロールが可能となっています。
その前には、結核やハンセン氏病が大きな問題でした。
ウイルスや細菌は生物であり、自分たちが生き残るようなシステムを持っているので、次々に人間にとって新しい脅威となってやってきます。
人間はそのたびに、相手を研究し、どのような対応が可能か、どのような治療が効果があるのか知ろうとします。それは重要なことで、今回のコロナパンデミックも、世界中の研究者が努力していることが、一臨床医の私にも伝わってきました。
そこで得た知見をもって、私たちは自分のクリニックでも対応できるようになってきましたし、みなさんの生活も維持できるようになってきていると思います。
ワクチンで感染症を予防することに、特に自然医療や統合医療のなかには、反対の意見もありますが、私自身は、ワクチンが必要なタイミングはあると思っています。ワクチンが絶対悪ではなくて、社会の感染症の流行状況や治療体制、個人の状況などを含めて総合的個別的に判断する必要があると思います。一方で、すべての病気をワクチンで予防できるわけでもないし、本当にそうする必要があるのかも疑問です。
続きは次回に